留学時代、私は日本人研究者の“研究スキル不足”を痛感すると同時に、それを体系的に学べる場や、研究者を支援する機関が極めて少ない現状を目の当たりにしました。帰国後、フリーランスのメンターとして300件以上の研究支援を重ねる中でその需要の高さを再認識するとともに、オンライン化の進展が研究室内の対面での指導機会を減らし、教育・指導の不足を一層深刻にしている現実を知りました。
指導の機会を得られない研究者や学生は、一人で悩みを抱え込みがちです。私の研究支援は、研究を前に進めるだけでなく、研究者のモチベーションや好奇心の維持——すなわち心の支えにもつながっているという評価を数多くいただき、事業は着実に広がってきました。
私は19年間、体外診断用医薬品(健康状態を把握するための検査薬)の研究開発に携わり、国内外での留学や海外製薬企業との協業を通じて、幅広い医学知識と国際的な視点を培ってきました。論文投稿や学会発表を重ねる中で磨いたのは、研究成果を世界へ発信するためのアウトプットの技術です。2006年に手足が不自由になる難病を患い、実験者としての将来に不安を感じた時期もありました。幸い大きな再発なく、2013年からは医学研究アドバイザー(フリーランスメンター)として数多くの研究者に伴走してきました。
この「支える側」としての歩みが、コノラボの原点です。
研究に求められる、3つのスキル
研究には、大きく3つのスキルが求められます。私はこの3つを現場で磨き続けてきました。当社の支援は、そのすべてを一人の伴走者がカバーすることを前提に設計されています。
1
インプット力
調査する力
- 研究課題を正しく理解し、研究計画へとつなげる
- 文献検索・先行研究の把握・データの選別——研究の土台づくり
- 的を射た情報を、効率よく素早く集められるかが勝負です
2
統合力
まとめ上げる力
- 集めた知見を、自分の言葉で再構成して論文にまとめ上げる
- 引用の羅列ではなく、短くインパクトのある表現へ置き換える
- 適切な引用作法を守りながら、自身の研究視点を明確に示すプロセスです
3
アウトプット力
発表する力
- 序論・方法・結果・考察を、整合性ある論理で展開する
- 読み手に伝わる構成で、論文の採択可能性を高める
- 学会発表・論文投稿で、成果を正しく世界へ示すために不可欠です
これらの経験と知識を分かち合い、優れた研究成果が正しく世界へ届くようにすること——それが当社の責務です。2022年の創業以来、研究者一人ひとりに寄り添う伴走型の支援を続けるとともに、2026年には公的研究費の管理体制を整え、自ら研究を行う機関としての歩みも始めました。
この言葉を胸に、日本の研究のさらなる発展に貢献してまいります。
株式会社コノラボ代表取締役 小野 純也