研究スキル情報

「文献を並べただけ」と言われたら――レビュー・検討・緒言は、役割が違います

「これは文献検討になっていない」「緒言が長すぎる」「同じことを二回書いている」。指導のなかで繰り返し出てくる指摘です。言われた側は、どこをどう直せばよいのか分からないまま、文章をこねくり回すことになります。原因はたいてい同じで、文献レビューと文献検討と緒言が、書き手のな

研究スキル情報

プロンプトが書けないのは、問いがまだ無いからです――学校でAIを教えることになったら

中央教育審議会の特別部会が、次期学習指導要領の審議まとめ案を示しました。報じられているところでは、教育へのAI活用が初めて明記され、小中学校の教科に「情報」が置かれる方向です。まだ案の段階で、告示は2027年初頭、小学校での全面実施は2030年度からと見込まれています。

研究スキル情報

走っている研究は、作り直さなくて大丈夫です――2026年12月1日の倫理指針改正

「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の一部改正が、2026年8月27日付の官報で告示されました。適用は同年12月1日からです。用語の整理まで含めるとほぼ全条文が書き換わっており、分量だけ見ると身構えてしまいます。ただ、実務で押さえるべき点は限られていま

研究スキル情報

合格率は、入学者の話をしていません――看護師国家試験のデータで見えない側

看護学校を選ぶとき、多くの人がまず見るのが国家試験の合格率です。学校もそれを掲げます。進路の判断材料として、いちばん手に入りやすい数字だからです。では、その数字は何を測っているのでしょうか。合格率の分母は、受験した人です合格率は、合格者数を受験者数で割ったもので

科研費・研究費

不採択通知は、感想ではありません――審査結果の所見をどう次に使うか

不採択の通知が届いたあと、多くの方が同じことをします。所見を一度読んで、しばらく見ないようにする。そして次の公募の時期になって、また同じ申請書を少しだけ直して出す。――これは、いちばんもったいない使い方です。審査結果の所見は、審査委員の感想ではありません。あなたの申請書

研究スキル情報

修士論文は、短くしても論文になりません――投稿までにやり直す3つのこと

修士論文を書き上げた方から、よく同じ質問を受けます。「これを短くすれば、論文として出せますか」。答えは、残念ながらいいえです。修士論文と投稿論文は、目的の違う別の文書だからです。縮めて出すと、ほぼ確実に「焦点が定まっていない」という査読意見が返ってきます。本稿では、投稿

学位取得・論文博士

満期退学は「保留」ではありません――戻れる期限は、大学ごとに違う

博士後期課程の3年目が終わろうとしている。論文は書けていない。指導教員から「満期退学して、書けたら出せばいい」と言われた――この場面は珍しくありません。けれど、その一言が意味するところは、大学によってまったく違います。満期退学は研究をいったん保留にする選択ではなく、期限

大学院・研究指導

看護から大学院へ――「何のために行くのか」で、選ぶ大学院が変わる

「大学院に行こうか」と考えはじめたとき、多くの人が最初に調べるのは大学院の一覧です。ところが、進学した人の話を聞いていくと、迷いの正体はそこにないことがわかります。自分は何のために行くのか――これが決まっていないと、どの大学院を見ても判断がつきません。本稿では、看護の現

大学院・研究指導

「院生が集まらない」より難しいこと――社会人大学院生の1年目が消える構造

「大学院の定員が埋まらない」――看護系の研究科で、よく聞く話です。ただ、指導にあたっている先生方に個別に伺うと、出てくる困りごとは少し違います。学生が来ないことよりも、来た学生を修了まで導ききれないこと。本稿では、働きながら学ぶ院生の1年目が消えていく構造をほどき、研究